二子玉川ライズ(二子玉川東再開発、二子玉川東第二再開発)

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都市と自然との調和をテーマにした大規模な都市創造型プロジェクト

「水と緑と光」「都市から自然へ」 街と自然をつなぐ2つのコンセプトを設計

都心と神奈川を結ぶ中間地点に位置する高級住宅街、二子玉川。ショッピング施設が充実する駅前エリアと、多摩川沿いに広がる住宅地が特徴のこの街は、近年、大企業の移転や大型店舗の開店などの影響で駅東側のエリアが大きく変貌しています。RIAでは、多摩川と国分寺崖線という豊かな自然に囲まれた二子玉川の立地特性を尊重し「水と緑と光」「都市から自然へ」という、2つの都市デザインコンセプト設計を行いました。

二子玉川ライズ
多摩川の水面と、国分寺崖線の緑に代表される二子玉川の自然豊かな風景との調和を「水と緑と光」というコンセプトワードで表現。また、「都市から自然へ」というキーワードのもと、駅を中心とした街区を「都市」の起点と位置付け、周辺街区を進むにつれて緑が色濃くなり、やがて豊かな「自然」をたたえた多摩川、河川敷の公園へと至るような都市デザインを実現した。
ガリレア
二子玉川ライズの街区をつなぐハブとなるガリレアは、二子玉川を利用するユーザーにとっての街の玄関口の役割を果たす。天空からの光がそのまま降り注ぐ開放的な大屋根に覆われた空間は、駅と交通広場を結ぶ快適な歩行者通路としてはもちろん、店舗の出店やイベントが活発に開催される広場としても機能する。
二子玉川ライズ
駅からⅠ-b街区、Ⅱ-a街区を越え、「森に浮かぶ超高層」をコンセプトとした約1,000戸の住宅を擁するⅢ街区の先に向かうと、多摩川を眼前に二子玉川公園が広がり、街のシンボル多摩川にたどり着く。駅からシームレスにつながる住宅地への道筋は、「都市から自然へ」をまさに体現したもの。

 

再開発を通じて実現する地域コミュニティの継続と発展

二子玉川ライズは、地域の人々と協力してまちづくりを行うという方針のもと、約200名の地元権利者の営業継続と生活再建を軸に事業が進められました。再開発後にもこれまでの営業・生活形態を維持できるよう、鉄道高架沿いからⅡ―b街区へと続く通行量の多いスペースに地元事業者を中心とした外向き店舗を形成。その結果、じつに3 / 4以上の事業者の方々が再開発ビルのテナントに入居することとなり、数多くの個性溢れる店舗が賑わいを創出しています。

二子玉川ライズ オークモール
二子玉川ライズ オークモールは、再開発側と鉄道敷地という異なる権利者間で一体のモールを形成している。地元の営業者が日用品や飲食店などの店舗を連ねることで、街の個性が色濃く反映された賑わいが形成されている。
二子玉川ライズ バーズモール&レジデンス
駅の北東側、国分寺崖線側に位置するⅡ-b街区「二子玉川ライズ バーズモール&レジデンス」もまた、数多くの地元の店舗と住居で構成されている。
二子玉川ライズ
東京都の賑わい創出の制度を活用し、もともとのコミュニティを大切にしつつも、新しい店舗群と融合したタウンマネジメント活動も盛んだ。

 

歩いて楽しい緑の都市

二子玉川東地区では2000年に市街地再開発事業を含む、あわせて12の都市計画(変更含む)が定められました。これにより地域が目指す「緑のネットワ-クの形成と拠点形成」が実施されることとなり、駅から街区までひとつながりの歩行者ネットワークの形成が実現しました。駅に直結する二子玉川ライズは、オフィス・店舗・ホテル・住宅など多様な都市機能と、屋上庭園やビオトープなどの豊かな緑が共生する施設。自動車と交錯せず安全で快適に歩行できるリボンストリートが駅から二子玉川公園、多摩川をつなぐことで、歩いて楽しく心地良いまちづくりを行っています。

リボンストリート
駅の西側街区や都市計画公園とも連携し、駅東西から多摩川まで一連の歩行者ネットワーク(リボンストリート)を形成。歩車分離された安全で快適な街路空間が街の中心部を貫いている。
リボンストリート
街区を貫くリボンストリートはゆとりのある設計。小さな「広場」があちこちで形成され、二子玉川ライズの豊かな緑や路面店舗から滲み出す賑わい、頻繁に催されるイベントが都市の風景を彩っている。
二子玉川ライズ
二子玉川ライズの出現により、二子玉川に住まう人、働く人々が大幅に増加。街の成長とともに利用者が増え、豊かな循環が生まれていく。

 

計画概要

施行者 二子玉川東地区市街地再開発組合(1期)
二子玉川東第二地区市街地再開発組合(2期)
施行面積 約8.1ha(1期)・約3.1ha(2期)
延床面積 約26.7万㎡(1期)・約15.7万㎡(2期)

※1期:Ⅰ-a、Ⅰ-b、Ⅱ-b、Ⅲ街区
 2期:Ⅱ-a街区

年表

1982年 二子玉川東地区で「再開発を考える会」発足
1991年 準備組合による「施設計画原案」完成
1996年 準備組合による「施設計画見直し案」完成
2000年 都市計画決定
2004年 再開発組合設立(1期)
2009年 再開発組合設立(2期)
2010年 Ⅰ-a、Ⅰ-b、Ⅱ-b、Ⅲ街区建物竣工
2015年 Ⅱ-a街区建物竣工

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