「水と緑と光」「都市から自然へ」 街と自然をつなぐ2つのコンセプトを設計
都心と神奈川を結ぶ中間地点に位置する高級住宅街、二子玉川。ショッピング施設が充実する駅前エリアと、多摩川沿いに広がる住宅地が特徴のこの街は、近年、大企業の移転や大型店舗の開店などの影響で駅東側のエリアが大きく変貌しています。RIAでは、多摩川と国分寺崖線という豊かな自然に囲まれた二子玉川の立地特性を尊重し「水と緑と光」「都市から自然へ」という、2つの都市デザインコンセプト設計を行いました。
再開発を通じて実現する地域コミュニティの継続と発展
二子玉川ライズは、地域の人々と協力してまちづくりを行うという方針のもと、約200名の地元権利者の営業継続と生活再建を軸に事業が進められました。再開発後にもこれまでの営業・生活形態を維持できるよう、鉄道高架沿いからⅡ―b街区へと続く通行量の多いスペースに地元事業者を中心とした外向き店舗を形成。その結果、じつに3 / 4以上の事業者の方々が再開発ビルのテナントに入居することとなり、数多くの個性溢れる店舗が賑わいを創出しています。
歩いて楽しい緑の都市
二子玉川東地区では2000年に市街地再開発事業を含む、あわせて12の都市計画(変更含む)が定められました。これにより地域が目指す「緑のネットワ-クの形成と拠点形成」が実施されることとなり、駅から街区までひとつながりの歩行者ネットワークの形成が実現しました。駅に直結する二子玉川ライズは、オフィス・店舗・ホテル・住宅など多様な都市機能と、屋上庭園やビオトープなどの豊かな緑が共生する施設。自動車と交錯せず安全で快適に歩行できるリボンストリートが駅から二子玉川公園、多摩川をつなぐことで、歩いて楽しく心地良いまちづくりを行っています。
計画概要
施行者 | 二子玉川東地区市街地再開発組合(1期) 二子玉川東第二地区市街地再開発組合(2期) |
施行面積 | 約8.1ha(1期)・約3.1ha(2期) |
延床面積 | 約26.7万㎡(1期)・約15.7万㎡(2期) |
※1期:Ⅰ-a、Ⅰ-b、Ⅱ-b、Ⅲ街区
2期:Ⅱ-a街区
年表
1982年 | 二子玉川東地区で「再開発を考える会」発足 |
1991年 | 準備組合による「施設計画原案」完成 |
1996年 | 準備組合による「施設計画見直し案」完成 |
2000年 | 都市計画決定 |
2004年 | 再開発組合設立(1期) |
2009年 | 再開発組合設立(2期) |
2010年 | Ⅰ-a、Ⅰ-b、Ⅱ-b、Ⅲ街区建物竣工 |
2015年 | Ⅱ-a街区建物竣工 |