八木 日出美(2017年入社)

  • 構造設計

構造デザインで建物の印象が変わる。だからこそ、やりがいのある仕事です。

Profile

八木 日出美 (やぎ ひでみ) 構造設計

2017年入社。初年度はあちてらす倉敷の基本設計を担当。2年目以降は、図書館、公民館、店舗、個人住宅自邸、福祉施設、ホール、オフィスといった多種多様なプロジェクトの構造設計・監理を担当。野球部に所属。

 

建築、構造の道に進んだ理由

私は高専から建築を学んでいます。きっかけは祖父、父、叔父が建築士、家族が仕事にしていることに漠然と興味が沸いたことです。構造を選んだ理由は、単純に構造力学が一番面白かった、大学で木質ハイブリット工法の研究に興味を持ったからです。

RIAを選んだ理由は、「まちづくり」に強みがあるRIAであれば、大規模な建物から小規模な建物まで、いろんな用途の建物の設計に携われるのではないか、構造分野に留まらず幅広い分野に精通できるのではないか、と考えたからです。

 

構造設計の魅力に気づいた時

入社して2年目、初めて実施設計を担当した清水町図書館(S造)がとても印象に残っています。特に工夫した点は2つ、

・トラス架構で支持するキャンチ庇
吹き抜けに面して長さ5.4mの庇を計画、庇を支えるキャンチ梁はトラス架構により応力を伝達させることで、吹き抜け内に部材が極力出ないよう設計。

・建物外周の斜め柱
正面の斜め柱8本の内5本は、庇の振れ止めと耐風梁の受け材として設計。残りの3本は樋(とい)として採用。建物の機能として適したデザインとしました。

このプロジェクトを通して、構造設計をする上で「安全であることは大前提」として、「構造デザインの柔軟性と可能性」、「おさまりの見え方で決まる印象の大きさ」を大いに学び、構造設計のやりがいと楽しさを感じました。

 

構造設計はものづくりの一環

南青山551計画(店舗・RC造)では、現場のおさまりや施工方法・順序を考慮した構造設計の重要さを学びました。
例えば、建物角、交差点部のRC柱。
人通りが多く目につく箇所なので、柱の存在感を無くしたい、見え方や意匠的イメージ、構造の設計ルートを勘案して、2本の細径のRC柱を方立位置に計画することになりましたが、そこから構造の課題は、どこまで柱を細くできるかでした。
耐力はもちろんのこと、コンクリートの流動性(空洞ができないか)、配筋方法(鉄筋曲げ加工は可能か)、配筋おさまり(下部上部の梁筋との関係)も考慮して、φ300mmに決定。フープ筋はスパイラル筋とし、型枠はボイド管を用いて実現することができました。

南青山551(左)外観、(右)φ300mm丸柱施工の様子

このプロジェクトでは、監理も担当したので、施工状況やおさまりの複雑なところを現場の所長と逐次打ち合わせして進めました。ものづくりに携わっていると実感できた時でした。

 

RIAの構造技術部

本拠地の東京で、全国のプロジェクトを約20人で担当しています。(2023年現在)
私も入社してから、静岡、岩手、東京、兵庫、山形、福島と色々な場所・用途のプロジェクトを経験しました。各プロジェクトの主担当は決まっていますが、チーム一丸となって各人の技術を集結して建物を設計します。幅広い年代の方がいて、相談しやすく、たまに飲みに行ったりもしながら、とても良い雰囲気で働いています。入社した当初は、強面の上司を見てここでやっていけるのか、と心配したのも取り越し苦労。思い出すと懐かしいです。

強面?の上司の定年祝い