武脇 卓磨(2018年入社)

  • 意匠設計

自分が設計した建物によって、まちが変わる姿を見届けたい

 

Profile

武脇 卓磨(たけわき たくま)  意匠設計

2018年入社。1年目東京本社にて東五反田地区再開発に携わる。2年目から名古屋支社に配属し、小規模複合施設(共同住宅、クリニック)・保育園などで設計・監理を担当。その他、公共施設プロ―ポーザルや再開発基本計画に携わる。現在は三郷駅前地区再開発施設の設計業務に携わっている。富山県出身。

 

 RIAを知るきっかけ

私は就職活動の際に、地元富山の魅力的な図書館(TOYAMAキラリ)や日常的に立ち寄っていた百貨店(総曲輪フェリオ)、母がかつて勤めていた百貨店もRIAが設計していたことを知り、まちに根差した施設を誠実に設計する印象を受けました。また全国に支社がある組織設計事務所では珍しく金沢支社があることを知り、北陸出身として「北陸に力をいれている設計会社ってなんか良いな~」と思い、直感と勢いで応募したことを覚えています。

 

SLサイズ、多用途、複雑に絡まった条件をまとめる柔軟な考え

RIAでは部署ごとに担当する特定のビルディングタイプがなく、様々な用途・規模の建物を設計するチャンスがあることに驚きました。また100㎡未満の建物を設計する傍らで10,000㎡を超える建物の企画や設計をすることもあります。そのため経験したことがない用途や規模に関わる際には自分なりに類似事例を分析したり、関係する法規を調べたり等する自主性が求められますし、複雑に絡まった条件を整理する柔軟性が必要になると思います。業務ではその整理した内容を社内・お施主さん・地権者・行政・施工者・協力事務所等様々な人に伝える必要があるので、何を根拠にその考えを出したか・自分が何を大事にしているかを適切に伝えられるように努めています。

(左)小規模の改修から(右)再開発施設まで様々な設計が経験できる

 

 建物を設計するだけでなく、地域活動や将来の担い手のことも考えてみる

私が設計担当している三郷駅前再開発では、再開発施設の基本設計段階で地区内の将来取り壊す空き家を一部改修して「三郷スタジオ」を整備しました。このスタジオはRIAのサテライトオフィスと地域との交流拠点を兼ねており、次の内容を試みています。

 ①三郷スタジオを整備するまでの様々な過程を自分達で経験してみる
 普段の業務では行わない敷地の草刈り、荷物の引越しや施工体験(壁の塗装・ベンチの作成)、備品の用意等をRIA所員でできる限りやってみました。初めて経験する塗装はムラが多くなり上手くぬることができず、いつも現場で綺麗に仕上げてくれる職人さんに感謝しなくてはと改めて実感する機会にもなりました。

②地域で活躍する担い手となる人が見つかるように地域住民を巻き込んだイベント開催
 RIA名古屋支社の所員が協力して企画し、上記の施工体験や地域名産を活用したイベント・地域の方が先生となる講座・市民が主体となり活動する社会実験(三郷まち育てPJとの共催)を実施しました。将来のまちの使われ方を検討するために地域住民を巻き込んで自分達で活動してみようという試みは経験がなく新鮮でした。またコトづくりを自分達で企画する苦労と楽しみも経験できました。

 設計チームと計画チームが協力しながら地域との関係を築いていく過程はRIAらしい試みだと思います。自分は週1日スタジオに常駐しているので、地域の方に愛される再開発施設としなければと思い設計に取り組む時間が前より増えた気がします。

(左)スタジオで行った施工WS、(右)社会実験を活用して設計する広場のスケール感を確認

地域や時代の課題に対して新たな提案ができる設計者を目指したい

設計のリサーチでは徒歩で河口から川の上流に向かって半日かけて探索したことや、家から自転車で暗くなるまで計画地周辺を調査したこともあります。2回ともヘトヘトになり帰宅したのですが、その場所のパブリック空間の特徴や地形の変化・周辺の建物の違い・利用者の変化等気づきが得られ、新たに設計に反映できた内容もありました。現地へ向かい地域を深堀りすることやその場所にふさわしいスケールやディテールを身体的な感覚で捉え、提案に繋げる努力は設計者として備えるべきだと思い、今後も続けていきたいです。(誰か一緒にリサーチに付き合ってくれると嬉しいです。)

これからの環境に配慮したZEB対応やBIM活用といった時代のニーズや課題に応えつつ、自分で見つけた新たな視点を織り込んで、ひとつでも良い建物を設計できればと思います。

設計のリサーチだけでなく休日は色々な場所へ