シティタワー武蔵小山(武蔵小山駅前通り地区第一種市街地再開発事業)は、武蔵小山駅周辺における連鎖的なまちづくりの先導的プロジェクトです。
商業・賑わいの衰退や建物老朽化、脆弱な都市基盤といった様々な課題を抱える住商混在の高密市街地において、市街地再開発事業により品川区の西の玄関口にふさわしい魅力的な複合市街地の形成に寄与しています。
riaは事業コンサルタント・設計者として当プロジェクトに参画し、地元の方々と共にまちづくりの検討・事業の推進を図ってきました。
駅周辺における連鎖型まちづくりの先導的プロジェクト
東急目黒線の連続立体交差の事業化を契機に、駅周辺におけるまちづくり気運が高まりつつある中、平成16年に「東京のしゃれた街並みづくり推進条例」に基づく街並み再生方針(以下、「しゃれ街」)が「武蔵小山駅東地区」として都内第一号として指定され、その後、駅周辺では様々な共同化等が検討されてきました。
その中で、当プロジェクトは平成17年に再開発の検討準備組織が設立され、隣接する「武蔵小山パルム駅前地区市街地再開発事業(以下、パルム地区再開発)」とともに、駅周辺における大型再開発の先導的プロジェクトとして具体的な事業化に向けた検討がスタートしました。
隣接する再開発事業との連携・協調
当プロジェクトの立案にあたっては、周辺地域や当事業と並行し事業検討が進められていたパルム地区再開発との連携・協調が必須であり、これら双子の再開発を支える都市インフラや地域一体での歩行者ネットワークの形成、ランドマークの創出、良好な景観・街並み形成、地域防災など、様々な観点で両地区の協働により計画検討を行いました。
都市ポテンシャルを最大限に引き出しつつ、かつてのまちの魅力を継承・再構築
武蔵小山駅周辺は交通利便性が非常に高く、商店街パルムをはじめとした賑わいある街並みが広がっています。一方、少し脇道に入ってみると、界隈性のある路地裏に小洒落たお店、その先には静かな緑の散歩道やちょっとした広場で談笑するご婦人や高校生たち、そんな温かみのある魅力が見つかる街です。
施設の低層部は、かつての商店街の賑わいを継承する路面型の店舗群やウェルカム広場といった賑わいのあるゾーン、四季折々の緑が楽しめる散策路や街なか広場などの静かで落ち着きのあるゾーンで構成されています。
特色ある2つのゾーンを繋ぐように、貫通通路、広場や通路沿いの大小様々な階段、2階店舗等を繋ぐゆとりあるデッキ空間(ウェルカムテラス)を設けることで、立体的な回遊性を生み出すとともに、まちの隠れた魅力の継承・再構築を図っています。
計画概要
事業名称 | 武蔵小山駅前通り地区第一種市街地再開発事業 (施設名称:シティタワー武蔵小山) |
施行者 | 武蔵小山駅前通り地区市街地再開発組合 |
施行面積 | 約0.7ha |
延床面積 | 約53,500㎡ |